「ダイエットをするときは脂質は摂らない方がいいの?」
「脂質制限する場合は一日何グラムが適切か知りたい」
「脂質制限によるデメリットはあるのか気になっている」
このように、女性がダイエットを行う際に脂質制限をするべきか、脂質を摂取した方が良いのか気になっている方は多いと思います。そして、一日にどれくらいの脂質を摂取するべきか知りたいと思っている方も少なくないはず。
そこで今回は、女性がダイエットを行う際は脂質制限をするべきかと、一日の脂質摂取量の目安について解説していきます。

パーソナルトレーナー
佐藤 誠
さとう まこと
パーソナルトレーナー歴15年 大学のスポーツトレーナーコースを卒業し、大手スポーツジムに入社。その後、フリーのパーソナルトレーナーとして経験を積んだ後にFitness Space Runwayを立ち上げる。メディア記事の監修など幅広く活動中。
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脂質は太る?脂質の役割とは

まずはじめに、「脂質=太る」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
確かに脂質は1gあたり9kcalと高カロリーで、糖質やタンパク質(各4kcal)の2倍以上のエネルギーを持っています。
このような理由から、脂質を摂ると体脂肪として蓄積されやすく「脂質=太る」というイメージが定着しています。
しかし実際には、脂質は私たちのカラダに欠かせない重要な栄養素です。
むしろ極端に制限すると、ホルモンや代謝の働きが乱れ、結果的にダイエットの成功を妨げてしまうこともあります。
ここでは脂質の役割を改めて整理してみましょう。
- ホルモンの材料になる
- ビタミンの吸収を助ける
- コレステロールバランスの改善
- 脂肪燃焼の効率化
ホルモンの材料になる
女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)や副腎皮質ホルモン(コルチゾールなど)は、脂質を材料にして作られています。
そのため、脂質不足はホルモンバランスの乱れを招き、生理不順、PMSの悪化、更年期症状の増幅といった女性特有のトラブルにつながる可能性があります。
ビタミンの吸収を助ける
ビタミンA・D・E・Kといった脂溶性ビタミンは、脂質と一緒に摂取しなければカラダに吸収されにくい特徴があります。
たとえば、野菜に含まれるビタミンA(β-カロテン)は、油と調理することで吸収率が飛躍的に高まります。
コレステロールバランスの改善
脂質の中には「悪玉コレステロール(LDL)」を下げ、「善玉コレステロール(HDL)」を増やす働きを持つものがあります。
特に青魚に含まれるオメガ3脂肪酸や、オリーブオイルなどに含まれるオレイン酸は、動脈硬化や生活習慣病の予防に効果的です。
脂質を適切に選ぶことは、健康維持だけではなく美しいカラダ作りにも影響を及ぼします。
脂肪燃焼の効率化
一般的に言われているカラダに良い脂質を適量摂ることでダイエットをサポートする効果があります。
脂質は血糖値の急上昇を抑え、エネルギーの安定供給を助けるため、食後の空腹感や暴食を防ぎやすくなります。
また、脂質をエネルギーとして使う体質(脂質代謝優位)に切り替えることで、脂肪燃焼を効率化することも可能です。
脂質は大きく分けて「不飽和脂肪酸」と「飽和脂肪酸」に分類されます。
どちらも体に必要ですが、摂りすぎると健康リスクにつながるものと、積極的に摂りたいものがあります。
ここでは、それぞれの特徴を整理しましょう。
脂質の種類 | 特徴 | 主な食品 |
---|---|---|
不飽和脂肪酸(オメガ3) | 中性脂肪を減らす | 青魚(サバ・イワシ・サンマ)、サーモン、亜麻仁油、えごま油 |
不飽和脂肪酸(オメガ6) | 健康維持に必要だが摂りすぎ注意 | 大豆油、コーン油、ごま油 |
不飽和脂肪酸(オメガ9) | 悪玉コレステロールを減らす | オリーブオイル、アボカド、ナッツ類 |
脂質の種類 | 特徴 | 主な食品 |
---|---|---|
飽和脂肪酸 | 内臓脂肪増加、動脈硬化リスク上昇 | 肉の脂身、バター、ラード、チーズ |
トランス脂肪酸 | 肥満・心疾患リスクを高める | マーガリン、ショートニング、スナック菓子、菓子パン、揚げ物 |
脂質制限は必要?女性のダイエットに脂質が必要な理由

ダイエット中の脂質はなるべくカットしたいと考える女性も多いと思います。確かに脂質はカロリーが高いため、摂りすぎれば体脂肪として蓄積されやすいのは事実です。
しかし、極端な脂質制限は、女性の健康とダイエットの両方にとって大きなマイナスとるので注意が必要です。
- ホルモンバランスを保つために不可欠
- 美容と健康の維持に必要
- 脂肪燃焼をサポート
- 食欲を抑える
ホルモンバランスを保つために不可欠
女性のカラダは、脂質から作られる女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)によってコントロールされています。
これらのホルモンは、生理周期の調整や妊娠・出産、骨の健康、美肌などに深く関わっています。
脂質を制限しすぎるとホルモンバランスが乱れ、生理不順やPMSの悪化、肌荒れ、将来的な骨粗鬆症のリスクまで高まってしまいます。
美容と健康の維持に必要
脂質は肌の潤いや髪のツヤを守る働きをしてくれています。
脂質を制限しすぎると、肌がカサついたり髪がパサついたりと美容面でのデメリットが目立ちやすくなります。
そのため、女性が健康的かつ綺麗に痩せるために脂質は必要不可欠です。
脂肪燃焼をサポート
魚やナッツ、オリーブオイルなどに含まれる不飽和脂肪酸は、血液循環や代謝を助け体脂肪の燃焼効率を高めてくれます。
つまり、良い脂質を選んで摂ることで、ダイエットを効率よく行うことができます。
食欲を抑える
脂質不足は強い空腹感やストレスを生み、結果的に暴食やリバウンドを招く可能性が高くなります。
適度に脂質を摂取することで満腹感が持続し余計な間食を防げるため、ダイエットを無理なく継続することができます。
女性の1日の脂質摂取量の目安

ダイエットに関わらず、女性にとって必要不可欠な脂質ですが、一日に何グラム程度を目安に摂取すれば良いのでしょうか。
ここからは、女性に必要な一日の脂質摂取量の目安について解説していきます。
女性の1日の脂質摂取量の目安
厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、脂質の摂取量は 総エネルギー量の20〜30% が目安とされています。
必要な脂質量を計算する方法
脂質は1gあたり9kcalです。そのため、1日の摂取カロリーに応じて、脂質のグラム数を次のように計算していきます。
(例)30〜40代女性でふつうの活動レベル(デスクワーク+買い物や家事程度)
1日の摂取カロリーを 1800kcal とする場合
脂質20%:1800 × 0.20 ÷ 9 = 40g
脂質30%:1800 × 0.30 ÷ 9 = 60g
つまり、40〜60gが一日の脂質摂取量の目安になります。
ダイエット中におすすめの脂質食品

脂質の摂取量の目安が分かったところで、次はどんな食品にどれくらいの脂質が含まれているのかをご紹介していきます。
ここでご紹介する食品は、ダイエット中におすすめの食品でもあるので、ぜひ参考にしてください!
脂質が含まれる食品一覧
おすすめ食品 | 量(目安) | 脂質量 |
---|---|---|
サーモン刺身 | 3切れ(約60g) | 約9.0g |
鯖の塩焼き | 1切れ(約80g) | 約10.0g |
イワシ(水煮) | 1尾(約100g) | 約10.0g |
アボカド | 1/2個(約70g) | 約10.0g |
アーモンド | 10粒(約12g) | 約6.0g |
オリーブオイル | 大さじ1(12g) | 約14.0g |
エゴマ油 | 小さじ1(5g) | 約4.5g |
脂質制限・過剰摂取のリスクと注意点

ここまでお伝えしてきた通り、脂質はカラダに必要不可欠な栄養素です。そのため、極端な脂質制限は健康を損なう可能性があります。
しかし、脂質の摂り過ぎもダイエットや健康面への悪影響があるので注意が必要です。
ここでは、脂質制限と過剰摂取によるリスクを整理しておきましょう。
脂質制限によるリスク
ホルモンバランスの乱れ
脂質は女性ホルモン(エストロゲンなど)の材料になります。極端に脂質を制限すると、生理不順やPMSの悪化につながるリスクもあります。
肌や髪の乾燥・老化の進行
良質な脂質は皮膚や髪の潤いを保つ役割があります。不足すると肌荒れや髪のパサつきが出やすくなる場合があります。
集中力・気分の低下
脳の約6割は脂質でできています。特にDHAなどの不飽和脂肪酸は神経伝達に関わり、不足すると気分の落ち込みや集中力低下を招きやすくなります。
過剰摂取によるリスク
体重増加
脂質はタンパク質や糖質に比べカロリーが高いため、脂質の摂りすぎにより摂取カロリーが増えてしまいます。
そして、摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、中性脂肪として蓄積され肥満の原因になります。
生活習慣病のリスク
特に飽和脂肪酸(バター、脂身の多い肉など)を摂りすぎると、LDLコレステロール(悪玉)が増加し、動脈硬化・心疾患のリスクが高まります。
まとめ
今回は、女性がダイエットを行う際に脂質制限を行うべきかや、一日の脂質摂取量の目安について解説しました。
脂質は女性のダイエットや美容面においてとても重要な栄養素です。しかし、脂質の種類や摂取量には注意が必要です。
この記事を参考に、ご自身に合った適切な脂質の摂取量を算出して、ダイエットにお役立ていただければと思います。